がんは早期発見が一番です。がんの専門医として講演で何度もお話ししてきたことですが、昨年自分で膀胱がんを見つけたことで、その思いがより強くなりました。その点でいうと、日経新聞が先日、「血液1滴で、さまざまながんを発見する検査キットが来年にも一部の人間ドックなどで実用化へ」と報じたことは、注目でしょう。
血液検査のみなので、面倒な胃カメラも被曝リスクがあるX線も必要ありません。採尿や採便の手間も不要ですから、注目されるのはもっともでしょう。
血液検査がターゲットにするのは、マイクロRNAです。DNAが情報を蓄積するのに対し、RNAは必要に応じて情報処理を担います。
より小さいRNAがマイクロRNAで、体内には2000種類以上あります。
それが、がんの発生初期から血液中を循環することが判明。2014年から国立がん研究センターを中心にプロジェクトが組まれ、研究されてきたのです。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁