病み患いのモトを断つ

心臓に原因も5割は無症状 突然死を起こす脳梗塞のリスク

観客に手を振る巨人終身名誉監督の長嶋茂雄氏(C)日刊ゲンダイ

 大きく報じられたわけではないが、気になった人はいるだろう。映画「釣りバカ日誌」や「たたら侍」などに出演していた女優の大越弥生さんの訃報が発表されたのは、先週11日。52歳の命を奪ったのは脳梗塞だった。

「脳梗塞には、3つのタイプがあって、そのうち2つは突然死を起こしにくい。大越さんが亡くなったときの状況が分からないので断言はできませんが、ひょっとすると、突然死につながる高リスクのタイプだったのかもしれません」

 こう言うのは、東京都健康長寿医療センターの桑島巌顧問(循環器専門医)だ。どういうことなのか、詳しく聞いた。

 どのタイプにせよ、脳梗塞は、脳の血管が詰まる病気だ。海底に少しずつヘドロがたまるように、少しずつじわじわと動脈硬化を起こして血管が詰まるが、突然死は起こしにくい。

 医学的にはラクナ梗塞とアテローム血栓性梗塞と呼ばれる。2つの違いは血管の太さの違い、微小血管で生じるのがラクナ梗塞だ。

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