病気を近づけない体のメンテナンス

腎臓<下>人工透析にならないための対策 3つのポイント

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 腎硬化症では血尿はなく、尿タンパクも陰性か軽度にとどまるため、発見が遅くなるケースがある。早期発見のポイントはGFR(糸球体ろ過量)推算値の低下、長期にわたる高血圧の病歴、夜間尿の出現などだ。

 しかし、日本人の高血圧の大半を占める本態性高血圧(原因不明)による腎硬化症では、正しく血圧管理を行えば発症を予防したり、進行を遅らせたりすることができるという。

 このように生活習慣病の人は、原疾患となり得る持病をきちんと治療し、コントロールすることがCKD予防の重要なポイントになるが、治療に用いる多くの薬剤は作用機序や排泄などで腎臓と密接な関連がある。そのため何らかの持病で服用している薬剤が腎臓に負担をかけ、腎臓の機能を悪化させる場合もあるので要注意だ。

「CKDや高齢、脱水などの人で最も注意すべきは、使用頻度の多い『非ステロイド抗炎症薬(痛み止め)』です。座薬や湿布であっても内服薬と同様に腎機能を悪化させる可能性があるので使用量の減量が必要です。疼痛のあるCKDの患者さんには『アセトアミノフェン』の方が安全と考えられますが、どちらも長期にわたり使うのは避けましょう」

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