一方、国立病院機構東京医療センター耳鼻咽喉科の角田晃一医師は、一般論として「検体の取り方が検査する医療者によって違うと、陽性であっても陰性という結果が出ることがある」と指摘する。
PCR検査は、綿棒で患者の咽頭などをぬぐって検体を取り、それを使って陽性か陰性かを調べるが、「正確に調べるには、上咽頭まで綿棒を到達させなければなりません。しかし、医療関係者向けにYouTubeなどで紹介している検体の取り方が、紹介元によって違います。世界で最も権威のある医学雑誌『ニューイングランドジャーナルオブメディスン』(NEJM)が発信するYouTubeの紹介は非常に信頼の置けるものですが、違う紹介元では、上咽頭まで到達できていない。これでは正しく検体を取れない。患者さんが痛がるからだろうと、上咽頭よりもっと手前で検体を取っている医師もいるかもしれません」(角田医師)。