緊急企画 新型コロナを正しく恐れる

陽性だと大騒ぎするが PCR検査で病気を判別してはいけない

新型コロナの検査装置(岐阜県保健環境研究所提供)

 一般的に感染症は、“症状”がなければ病人と見なさないことを忘れてはいけない。

「例えばノロウイルス患者の中には、治療で症状が消えても1カ月以上腸内にノロウイルスが生息している場合が少なくありません。腸管から簡単にノロウイルスを排除できないからです。だからといって下痢などの症状がない感染者を徹底的に調べてノロウイルスがゼロになるまで隔離することはありません。治療により下痢症状が消えた感染者がその後、突発的に感染症を発生することはマレだからです」

 ただし、新型コロナウイルス感染症の患者が治療後、ノロウイルスの患者のような経過をたどるのか、わかっていない。だからこそ今はそれを慎重に見極める必要がある。逆に今わかっているのは持病のある中高年の感染リスクが高く重症化しやすいこと、若年層は感染しても軽症で済む一方で他人に感染させるリスクが高いことだ。

 いずれにせよ、感染症は感染経路を遮断すれば広がらない。今できることはくしゃみや咳でウイルスをまき散らしたり、ウイルスを触れた手であちこち触ることをやめることだ。

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