緊急企画 新型コロナを正しく恐れる

中国の論文から見た新型肺炎「重症リスクの高い人」とは

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 実際、死亡者の平均年齢(64・6歳)は生存者のそれ(51・9歳)より高かった。また、新型コロナはこれまでも「持病のある人は重症化しやすく危ない」といわれ、心臓病、肺疾患、がん、糖尿病にかかっている人はリスクが高いとされてきた。論文では52人のうち21人は慢性疾患があったという。しかも、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳血管疾患があった7人(13・5%)は全員死亡している。発症後52人の患者の大半は臓器障害を起こしていた。急性腎障害が12人(23%)、心機能障害が15人(29%)、肝機能障害が1人だったが、最も多いのは急性呼吸窮迫症候群(ARDS)で35人(67%)いた。

「急に発症して肺の中でのガス交換に支障を来す病態で、重篤な肺炎や誤嚥性肺炎、敗血症などの基礎疾患に続いて1週間以内に発症する低酸素血症です。胸部のX線画像では両側の肺に炎症による影が認められるのが特徴です」

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