Dr.中川 がんサバイバーの知恵

コロナで相次ぐ外来閉鎖 がん治療継続では2つを確認したい

永寿総合病院では院内感染が100人を超えた(C)日刊ゲンダイ

 そんなことを踏まえると、がんの治療をどこで受けるか。万が一のことを想定しておくことは、大切です。もしがん専門クリニックを念頭に入れているなら、がん診療連携拠点病院や大学病院との連携の有無を確認しておくこと。連携がなければ、避けた方がいいかもしれません。

 もう一つは、治療の計画書を主治医からもらっておくことです。抗がん剤なら、別の病院で同じ治療を受けやすくなります。

 放射線は、装置によって性能が違うため、治療計画書があっても、別の医療機関で同じ治療が受けられるとは限りません。放射線治療は、代替の医療機関を探すのも困難です。

 このような考え方は災害時にも役立ちます。ぜひ頭に入れておいてください。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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