人工肛門かそれ以外か…迷ったときに知っておきたいこと

生活の質(QOL)を下げないことも大事(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 従来の手術では、直腸とともに内肛門括約筋と外肛門括約筋を切除するので、人工肛門の造設が必要になる。しかしISRでは、直腸と内肛門括約筋を切除し、残った大腸と肛門をつなげる。外肛門括約筋は残るので、人工肛門をつけずに済む。

「ただ、現在の進化した人工肛門の装具と比べると、ISRで排便機能は残せたはいいが、QOLが下がったという人も少なくありません」

 外肛門括約筋が残っているので、便が出ないように肛門は閉められる。つまり、便をためる力はある程度残っている。ところが直腸が切除されているため、便を押し出す力がかなり弱まる。すると、一度に便を出すことができないため便の回数が増える。

「個人差はありますが、手術後2~3カ月は1日10回以上、落ち着いても1日3~4回はトイレに行くようになる人が多い。さらに、あまり我慢できない。便意を催したらすぐにトイレに行かなければならない人もいます」

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