壊滅状態のNYからリポート“パンデミック・カースト”の誕生

新型コロナで救急搬送される患者(C)ロイター

 そして最前線ワーカーの4割は白人以外の人種で、3分の2は女性、3分の1が低所得者。別のデータでは、ニューヨークを含めアメリカ各都市ではコロナの犠牲になっているのも有色人種、特にヒスパニック、アフリカン・アメリカンの死者が人口比率に比べて高い。感染リスクを冒して働いていれば当然だろう。

 一方、多くの富裕層が、ウイルスのない遠隔地のリゾートなどで何不自由ない生活を送っている。ニューヨークの大病院のCEOが、医療崩壊の最中にフロリダの豪邸にいるとは何事かと怒る人、自宅からテレビ出演するセレブの家が豪邸ばかりでうんざりしたという人も少なくない。

 アメリカではコロナによってこうした格差がますます明白になっている。同じ自宅待機でも、ネット環境や家の広さなどが大きな差を生む。「パンデミック・カースト」という言葉も生まれている。

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