専門医が教える パンツの中の秘密

女性に知って欲しいトイレでの注意点 膀胱炎回避のために

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 大腸菌などの細菌が尿道から侵入して発症する膀胱(ぼうこう)炎が女性に多いのも、そのような理由からです。男性と比べて女性は尿道が短く、尿道口が腟や肛門と近いので細菌が侵入しやすいのです。

 女性は排尿後のトイレットペーパーの使い方も重要になります。外陰部の粘膜の部分はペーパーでこすって拭いてはいけません。粘膜に微小な傷ができてしまうと、そこから細菌やウイルスに感染しやすくなります。

 それに縦拭きや横拭きをすると、外陰部にいる細菌を尿道口に運んでしまうことになります。拭かずに、吸水性のいいペーパーを5、6回押し当てるだけで十分です。

 また、ビデの水圧にも注意が必要です。男性の方もおしりの洗浄で水圧が強くて、肛門に痛みを感じた経験を持つ人がいると思います。

 外陰部も肛門も水圧が強いと粘膜に傷がつきやすくなります。水圧は弱めで、やさしく洗浄することを心がけてください。

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尾上泰彦

尾上泰彦

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

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