胃がん検診は内視鏡が基本ですが、難治性のスキルス性はX線の方が発見しやすい。会社で内視鏡を受けている人も、2、3年に1回は自治体検診を利用してX線検査を受けることです。
乳がんは、X線によるマンモグラフィーが基本。しかし、高濃度乳腺とよばれるタイプの乳房の方は、マンモだと見逃しリスクが高い。そういう方は超音波との併用がベターです。自治体検診でエコーを受けられるなら、受けるといい。
3つ目は、大腸がんについて。基本は検便で、2日分を採取します。3年続けて、延べ6日分を採取すると、がんの発見率は理論上97%と100%近い正確さです。検便で潜血が確認されると、がんのほかポリープや潰瘍など大腸の異常を知らせる手がかりとなり、内視鏡の精密検査を受けることになります。
問題は、その精密検査の受診率の低さです。乳がん、肺がん、胃がんは8割を超えたのに、大腸がんは71%にとどまっています。その理由は、時間がない、費用がかかるだけでなく、多くの人が「痔のせいだろう」をあげるのです。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵