“痔主”なら便の出血を「いつものこと」と思うかもしれませんが、痔だけが原因で検便が陽性になるのはわずか2%といわれます。
大腸がんは、多くが腸の深いところにできるため、便はまだ固まっていません。そこでの出血は便とよく混ざるため、説明書の指示通りまんべんなく採取すれば陽性になりやすい。
しかし、痔は肛門の近くにできます。そこまできた便は固まっていますから、痔の出血は便の表面に付着する程度。付着していないところもあるため、陰性になる確率が高いのです。検便が陽性なら、痔主の方もぜひ内視鏡検査を受けることをお勧めします。
米国は10年に1度の内視鏡検査を取り入れた結果、40年で死亡率が半減。陽性の人は確実に内視鏡検査を受けるのが無難です。陰性の人も念のため3~5年に1度は受けるとよいでしょう。
企業検診にないメニューが自治体検診にあれば基本的に受けるといい。しかし、甲状腺は受けないこと。陽性でも治療しなくていいケースが多く、過剰診療が問題なのです。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵