例えば、いきなり後ろから背中をドンと押されて驚かされたときなど、心臓がドキドキしてしばらく止まらない経験があるでしょう。あのドキドキ感が、心臓に働くアドレナリンの作用なのです。ノルアドレナリンは、副腎髄質や神経末端から放出され、血管を縮めて血圧を上昇させる役割もあります。
つまり、体にストレス(恐怖、怒り、不安、注意など)反応が起こると、中心的役割を果たすアドレナリンなどが血中に放出されます。すると、心拍数や血圧を上げ、体を攻撃態勢に変え、瞳孔も開き血糖値を上げる作用も出てきます。
一方、体を守るため、エネルギーを節約し、さらにストレスによってタンパク質合成が狂い病気になるのを防止するために、遺伝子レベルからの合成命令(翻訳)を全体的に抑制します。
「お父さん、そんなに怒ると血圧が上がるよ」と言う子供のアドバイスも、まんざら見当違いではありません。
血管・血液を知る