病の克服は患者に聞け

新型コロナ<後編>本当にギリギリの状態だったんだろうと…

中田仁之さん (提供写真)

「ICUに入る時から家族の同意を得て点滴で抗インフルエンザ薬の『アビガン』が投与されていました。管が外れた17日からは錠剤の服用が始まり、退院する20日まで続きました。朝晩4錠ずつを服用するたび、看護師さんがきちんと飲んだかどうかを確認しに来るので、口を大きく開けて中まで見せなければいけません。それくらい徹底していました」

 一般病棟に移った18日に治療後1回目のPCR検査が実施され、19日に陰性と判明。同日に行われた2回目のPCR検査も陰性で、20日の夕方には退院の許可が下りた。

 自宅に戻り、体重計に乗ると8キロ減っていた。体力の衰えが激しく、階段を下りようとするとバランスを崩して落下しそうになった。退院後のリハビリについてはとくに指導はなかったという。

「退院してから4週間は外出を控え、週1回、保健所から電話があって体調を確認されました。朝晩体温を測って36度台の平熱が続いていたので、体力を戻すために朝の散歩を始めました。最初は20分も歩くとヘトヘトだったのですが、いまは1時間でも問題ありません。また、毎日1分間、計3セットの体幹トレーニングも続けています」

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