絶望してはいけない 命をつなぐ僧侶の言葉

「気持ちは必ず変わる。物事はすべて変化していくから」

曹洞宗長寿院の篠原鋭一住職(C)日刊ゲンダイ

 彼は気が変わったら、と言いましたが、気持ちは必ず変わる。変わらざるを得ないんです。なぜなら物事は必ず変化していくから。不変のものはないんです。だってあなた今日私に電話してきたじゃない。私はあなたからの電話なんか予期していなかった。あなたと私がいま電話しているということは、昨日と今日で状況が変わったということでしょう。だから明日になったらまた違った変化が出て来るはずだと伝えました。

 どうしても店の家賃が払えなかったら、払わなくてもいいんですよ。また新しいところで始めればいい。前と同じような場所でやろうとするから、次はできないとなるので、地方に行けば、店を開くなら場所を貸します、助成金を出しますという市町村がいっぱいあります。コロナという変化を私たちはすでに受け入れてしまったんだから、それに続く変化も受け入れればいいんです。

 やっぱり自分の店を開くのが無理だったら、人の店でパートタイムで働くのだっていいじゃないですか。仕事がないっていうけど、街を歩いていれば、スタッフ募集の張り紙がいっぱい貼ってありますよ。休業中にスタッフを解雇してしまって、再開したはいいけど、一度やめさせたスタッフが戻ってきてくれない、という店だってありますから。パートじゃ嫌だと言うかもしれないけど、最低でも一日に食べるごはん代が稼げればいいじゃないですか。

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