過去のつらい出来事を書くだけで血圧低下「感情日記」の効果

完成度を気にせず自分のために書く

■「自分自身のために書く」

 なぜ、感情日記が血圧低下などに作用するのか? それは、心と体が密接につながっているからだ。最上氏によれば、感情日記によって心の奥底の感情に触れられる。

「すると押し殺していた本音の感情が解放され、苦悩が緩和し、そのあおりで崩れていた自律神経系・内分泌系・免疫系のバランスが回復します。結果、病気や体調不良が改善するのです」

 押し殺されていた感情は専門用語で「一次感情」と呼ばれる。喜怒哀楽などヒト以外の動物にもある原始的感情だ。これらはありのままに感じきると、自然に消え、問題にならない。しかし苦痛が強すぎると耐え難いからと目を背けるため、もとの出来事とは関係のない極端な考えや激怒、恨みといった激しい感情(「二次感情」)が生じる。

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