新型コロナ死亡率めぐる明暗のナゼ…腎臓・心臓はアウト

新型コロナウイルスによる肺炎患者は回復して退院(C)新華社/共同通信イメージズ

「こうした臓器が持病によって過去にダメージを受けていると、ウイルスの侵入によって炎症が起こり、生命の維持ができないほど機能が低下して死亡に至ることがあります。志村けんさんが亡くなったのはお酒の飲み過ぎなどで肝臓と肺の機能が弱まっていたからでしょう。肥満や高脂血症の人は糖尿病予備群や動脈硬化で臓器の機能低下を促進して重症化したと考えられます。ただ、他の臓器と違って生命に直結していないため死亡に至る可能性が低いのでしょう」

 意外なのが脳血管障害の死亡率が高いこと。新型コロナというと、内臓を攻撃するイメージがあるが、実は脳も“攻撃対象”だ。新型コロナに限らず、ウイルスは「血行性」といって、血管を通じて全身に広がる。

「人間の脳は『血液脳関門』といって、血中にある不要な物質が脳内に入らないよう排除する働きがあります。ところが過去に脳梗塞や脳出血、脳動脈瘤破裂などを起こして、このバリアー機能に綻びを生じている人はウイルスを通してしまい、脳に炎症を起こしがちなのです。健康診断で脳や腎臓、心臓などの臓器に『C』『D』『E』の判定を受けている人は特に注意が必要です」(左門新氏)

 手指の消毒とマスク着用をさぼってはならない。

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