病気を近づけない体のメンテナンス

歯<上>3割が菌血症 専門家が教える朝と夜の正しい歯磨き法

正しく磨くことが大事

 唾液と一緒に飲み込んだ膨大な数の口腔細菌は、胃酸によってほとんど死滅してしまう。しかし、食片に紛れた菌が生きのびる可能性もあり、また体調が悪くて胃酸や消化酵素の分泌が悪いときなどは、生きのびて腸まで届く細菌の数が増えることも考えられる。

 腸に到達した口腔細菌が血液中に入らなくても、歯周病菌が大腸がんや潰瘍性大腸炎などの発症と深く関係していることが報告されている。高齢者の場合、歯周病菌を含む唾液を誤嚥すれば肺炎を発症する。歯がない高齢者でも歯周病菌は舌の表面で繁殖するので、舌苔を取り除く「舌磨き」をしなければ、歯周病菌の誤嚥を防ぐことはできないという。

 このようなことを踏まえた上で、松下部長が勧める“正しい歯の磨き方”は「洗口剤うがい」と「舌磨き」「デンタルフロスや歯間ブラシ」を組み合わせた歯磨き習慣だ。朝と夜のやり方はこうだ。

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