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米大統領選でコロナ感染者、死者増加…今後さらに悪影響か

トランプ大統領支持者はコロナ軽視の傾向が…(C)ロイター

 大統領選の勝敗には関係なく、トランプ対バイデンの激しい選挙戦で大敗したのはアメリカの新型コロナ対策――。医療関係者の間ではそんな共通認識が広がっているとメディアが伝えています。そしてその余波は今後も続いていくだろうとしています。

 何度もお伝えしているように、トランプ大統領はコロナを軽視する姿勢を一貫して崩さず、10月に入って感染者が急増しても「コロナは民主党がつくり出したウソ。投票日が過ぎればいつの間にか消える」と言い続けてきました。

 ところがくしくも1日の感染者は投票の4日前に10万人に迫り、世界記録を更新。その後も勢いは止まらず、投票2日後の11月5日には11万7000人に達し、制御不能といわれるところまできています。

 今回の選挙はコロナ選挙、マスク選挙ともいわれ、厳しいコロナ対策を掲げるバイデン氏は常にマスク着用、支持者集会に参加する人は車に乗ったままというドライブイン方式をとってきました。逆にトランプ氏は支持者集会でマスクは装着せず、ソーシャルディスタンスもなし。調査ではこうした集会から3万人が感染し700人が亡くなっていると推測されています。またトランプ氏が、コロナ対策で拡充された郵便投票が違法であると根拠なく言い続けたため、支持者は投票日に投票所に大挙してやって来て、屋内でマスクなしでも投票が許されたといいます。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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