湿布薬は貼りすぎると危ない!吐血して搬送されたケースも

適正な量を適正に使わないと副作用も…(C)日刊ゲンダイ

「高齢者は加齢の影響で筋肉や脂肪の量が少なくなり、皮膚も薄くなってバリアー機能が低下している人も多い。そのため、貼り付けた湿布薬から吸収される成分が過剰になってしまう可能性があるので、より注意が必要です」(神崎氏)

■2枚で飲み薬と同程度まで血中濃度が上昇するタイプも

 さらに近年、成分がより吸収されやすい湿布薬が登場した。「ロコアテープ」と呼ばれる湿布薬で、2枚貼っただけで主成分の血中濃度が飲み薬を飲んだ場合と同程度まで上昇する。

「そのため、胃潰瘍など全身性の副作用が起こりやすく、『1日1回、上限2枚まで』と用法・用量が決められています。効果が大きい良い湿布薬ですが適正に使用することが大切で、医療機関の処方箋も必要です。ロコアテープは飲み薬に近い貼り薬といえるでしょう。また、粘着力も非常に強力で、かぶれや発疹を起こしやすいだけでなく、皮膚が薄い高齢者の場合、一気に剥がすと皮膚が傷ついてしまうケースもあります。これまでの一般的な湿布薬は、刺激で皮膚が荒れないよう入浴する際は30分ほど前に剥がしておくよう推奨されていましたが、ロコアテープは浴室で水やお湯で濡らしながら徐々に剥がしていく方法が皮膚に対するダメージが少なく安全です」

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