科学が証明!ストレス解消法

友人の数より理解者こそが大切 たった1人で百人力になる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 同時に、自分と同じ回答を選ぶ味方がいたケースでは正解率が跳ね上がったように、たった1人でも味方がいれば、自分の気持ちを正直に言いやすい傾向があることも分かりました。「アッシュの同調実験」は、まさに人間の不安定さを浮き彫りにした実験であり、一個人が“変わった人”で存在することの難しさを伝えているとも言えるでしょう。

 裏を返せば、良き理解者が1人でもいれば、自信を持って行動できる。先のアッシュの実験では、すべての回で被験者と同じ線を選ぶ人(つまり味方)が1人いると、同調する確率は5・5%まで減少し、本来の正解率に近づいています。

 友人が多いに越したことはありません。もちろん、「おひとりさま」もすてきです。ただし、良き理解者がいることこそ、最も尊い。たった1人でも、百人力になるのです。

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堀田秀吾

堀田秀吾

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

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