巣ごもりGWだからこそ知る「ピルの効能」

知っておくべき避妊薬としてのピルとコンドームとの関係

(C)Vladimir Sukhachev/iStock

 ピルが避妊薬であることはご存じでしょう。しかしピルには避妊や病気の治療のために毎日飲む低用量ピル、生理の移動に一時期のみ使う中用量ピル、緊急避妊に使うピル、など様々な種類があります。

 今日はこの中でもピルの代表選手である低用量ピルが避妊効果を発揮する仕組みについて説明します。

 低用量ピルにはエストロゲンとプロゲステロンの2種類のホルモンが含まれています。

 普段の生理周期では脳から卵巣に命令が出て、卵巣からホルモンが分泌され、排卵が起こります。しかしピルを飲んでホルモンが体の中に取り込まれると、脳は卵巣からホルモンが出ていると認識し、命令を出さなくなります。その結果、排卵が起きなくなり、避妊効果があらわれます。

■ピルは脳をだまして排卵をストップさせる「偽妊娠療法」

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佐野靖子

佐野靖子

ミラザ新宿つるかめクリニック婦人科医師。順天堂大医学部卒。同大産婦人科入局後、非常勤助教を経て現職。医学博士、日本産婦人科学会専門医、日本女性医学学会専門医。専門は更年期障害、女性のヘルスケア。

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