巣ごもりGWだからこそ知る「ピルの効能」

普通のピルと生理の移動に使うピルは何が違うの?

(C)torwai/iStock

 生理の移動に頻繁に使用されるピルは50μgのエストロゲンが含まれている中用量ピルです。一方、治療や避妊のために毎日使うピルは20~40μgのエストロゲンが含まれている低用量ピルや超低用量ピルです。

 ではなぜ生理の移動に使うピルと普段から使うピルは違うのでしょうか。

 治療や避妊に普段から使用する低用量ピルの場合、生理の1日目から飲み始めて21日間程度続けます。生理直後から飲み始めるので比較的低い用量でも卵胞が育ち、排卵するのを抑えることができます。

 一方生理を移動させる、中でも1-2週間後に来る予定の生理を遅らせたい場合は生理予定日の5日前からピルを飲み始め、生理が来て欲しくない日まで続ける必要があります。この場合すでに排卵をしている時点からピルを飲むので、ある程度のホルモン量が入っていないと生理が来るのを抑えることができません。そこでホルモン量の多い中用量ピルを使います。

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佐野靖子

佐野靖子

ミラザ新宿つるかめクリニック婦人科医師。順天堂大医学部卒。同大産婦人科入局後、非常勤助教を経て現職。医学博士、日本産婦人科学会専門医、日本女性医学学会専門医。専門は更年期障害、女性のヘルスケア。

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