男性不妊症のすべて

精巣をうっ血させる精索静脈瘤の手術は高校生でも受けるべきか

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 手術の時期に関しては、精液所見が不良である場合は早めに手術をお勧めします。一方、精液所見が正常な場合はまずは様子を見て、約半年の間に妊娠がなければ手術を検討します。ただし、女性の年齢が35歳以上の場合は、妊孕性が低下傾向であるため早めに手術を行うようお話ししています。

■体格ができあがっていれば手術してもОK

 精索静脈瘤は、思春期や高校生の男子でも見られることがあります。症状は無症状だったり、精巣痛を訴えて発見される場合もあります。

 手術に関しては、精巣に明らかに左右差が見られる場合はすぐに行った方がいいと考えます。ただ、思春期の男子は体格が小さいと手術の難易度も上がります。そのため、精巣に左右差がなく無症状であれば、身長などの成長が止まった段階の時期に手術を行う形でいいでしょう。

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小林秀行

小林秀行

1975年、東京都生まれ。2000年東邦大学医学部を卒業。卒後研修終了後に東北大学大学院医学系研究科病理病態学講座免疫学分野に進学。医学博士を取得。ペンシルバニア大学獣医学部にてリサーチアソシエイト。その後、東邦大学医学部泌尿器科学講座に復帰。2014年より現職。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は男性不妊症。noteにてブログ「Blue-男性不妊症について」を配信中。

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