とはいえ、ハモには良質なタンパク質が多く含まれていますし、日本人の食事摂取基準でも取ってほしいとされているDHAやEPAなどのn―3系不飽和脂肪酸が多く含まれ、血中の悪玉コレステロール(LDL)や中性脂肪を減らす働きがあります。タンパク質とn―3系脂肪酸……まさに朝食向きの食材です。
韓国産と徳島産のハモを比較した実験があります。体重0.3~0.8キロの雌で比較したところ、韓国産は低水温域に生息し、成熟開始年齢が高く、脂質を多く蓄えるため肥満度や肝重量が高く、脂質の量が多いこともわかっています。
また、ミネラルでは塩分を体外に排泄(はいせつ)して高血圧の予防に働くカリウム、骨ごと食べることになるのでカルシウムが豊富に取れます。
さらに、ハモの皮は魚類の中でも特に脂質が少なく、純度の高いコラーゲンが抽出できます。市販の化粧品などにも使用されるほど良質なコラーゲンが多く含まれているのです。また、近年注目されているコンドロイチン硫酸。骨粗しょう症予防、高血圧や動脈硬化予防などにも期待できるので、健康のためには、ぜひ皮ごと食べるのがよいでしょう。
時間栄養学と旬の食材