科学が証明!ストレス解消法

思い込み力は大事!「運」は心掛けと行動次第で変わる

“思い込み力”が大事(C)日刊ゲンダイ

「いわしの頭も信心から(信仰心が深いと、いわしの頭のようなつまらないものでも、尊く思えてしまうこと)」と聞くと、プラセボ(プラシーボ)効果をイメージする方もいるのではないでしょうか。

 プラセボ効果とは、もともとは有効成分が含まれていない偽薬を、本物の薬だと思って患者が使用すると、出るはずのない効果が本物の薬のように出てしまう現象を指します。翻って、効果のあるはずのない条件でも、効果があると被験者に思い込ませて臨むと、実際に効果が表れてしまうことを意味します。

 実際、人は思い込みの力で自分の体調を変えられるともいわれており、薬効のない鎮痛剤(偽薬)を処方され「とても効いた」と感じた患者さんは、それが偽薬だと明かされた後でも引き続き鎮痛効果を得ていたという報告もあるほどです。

 人間の“思い込み力”については、さまざまな実験が行われているのですが、ケルン大学のダミッシュらの研究チームが行った実験(2010年)は、いかに思い込みが大切かを物語る範例と言えるでしょう。

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堀田秀吾

堀田秀吾

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

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