新型コロナワクチンの疑問に答える

「抗体カクテル療法」は誰もが受けられるわけではない

(奥田氏提供)

 抗体カクテル療法のもとになったのは、30年ほど前に開発された、細胞融合法。これにより同一の抗原に対する抗体が大量につくられるようになった。

 この「カシリビマブ」と「イムデビマブ」は人工的につくられた抗体で、「モノクローナル抗体」と呼ばれる。トランプ前米大統領は、このカクテル療法を採用し、1週間でコロナを完治させた。

【Q】発症7日以内でないとあまり効果がないといわれるのはなぜか?

【A】「体の中でウイルスが増殖し始めるのが、発症から1週間以内であるためでしょう。臨床試験の結果、重症化や死亡のリスクを7割以上減らす効果があることが分かっていますが、酸素吸入が必要な状態であったり、ECMO(体外式膜型人工肺)などを使用しなければならないぐらいの重症になるとあまり意味をなさない。『抗IL-2抗体』や『ステロイド剤』の投与、あるいは酸素吸入による生命維持に移ります」

2 / 3 ページ

奥田研爾

奥田研爾

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

関連記事