新型コロナワクチンの疑問に答える

「抗体カクテル療法」は誰もが受けられるわけではない

(奥田氏提供)

【Q】変異株にも対応できるのか?

【A】「1年前、トランプ前大統領が投与された頃から有効性は認められていましたが、デルタ株など新しい変異株が出てきてからは有効性の低下が報告されました。それで、デルタ株やその他の新しい株に対するモノクローナル抗体を混合して1つのカクテルとして使用するようになり、現在に至ります。今のところデルタ株も含め、有効性の高い治療薬として承認されています。しかし、さらにこれを回避する新しい変異株が出現した場合、その株に対するモノクローナル抗体も付け加えられるように医療現場では準備が必要です」

【Q】現在のところ自宅療養者には投与できない。なぜか?

【A】「日本で行う場合は患者を入院させて体内の検査を行い、保健所や国などの許可を得なければなりません。また特定の病院にしか配備されていないのは、ワクチンと同様に量が非常に足りないためです」

 効くとわかっても、現状では、だれもが受けられるわけではない。

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奥田研爾

奥田研爾

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

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