「ハバナ症候群」は新兵器がもたらす症状なのか? 米外交官らが訴え

本当なのか?(C)ロイター

「報告した学者は、患者は認知障害に加えて脳振とうで見られるのと同じような眼球運動および視覚の問題を示したと話しています。たとえば、21人中11人で輻輳不全(近くを見るのに寄り目ができない状態)や異常な滑動性追跡眼球運動が見られ、10人で衝動性眼球運動障害が認められました。13人は光線過敏症を訴え、文字が読みにくい(12人)、眼精疲労(11人)などの症状があったそうです。読書時の頭痛および吐き気もありました」

 患者の大多数は症状を治めるために、動眼神経評価専門家を含む複数のリハビリテーション専門家を必要としたという。

「一般的な脳振とうの患者は時間の経過と共に症状が弱まりますが、ハバナ症候群患者は、リハビリが開始されるまで数カ月間、障害が続いたといいます。原因はわかっておらず、脳の画像での研究が進められています」

 持続する脳振とうを人為的に引き起こし、場合によっては脳を壊す隠された兵器があるとしたら由々しき問題だ。

 奇妙な症状でもあり、都市伝説的な響きも持つ話ではあるが、査読を経た医学の専門雑誌でも取り上げられている事件である。今後の解明に注目したい。

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