進化する糖尿病治療法

だだちゃ豆シーズンになると血糖コントロールが悪くなるのは…

ビール片手にどんぶり1杯のだだちゃ豆を…(C)PIXTA

 私は普段は国際医療福祉大学三田病院で患者さんを診ていますが、週1回、山形県鶴岡市の病院で診療を行っています。

 山形県で診療を始めて、改めて気付いたことがあります。それは、その土地柄の特産物が血糖値やHbA1cの上下に関係していることがあるという点です。

 鶴岡市の在来野菜に「だだちゃ豆」という枝豆があります。これは、鶴岡市でしか栽培されない特産品で、独特の香り、コク、強い甘味が特徴。噛めば噛むほどおいしく、「これを食べちゃうとほかの枝豆は食べられない」という人も。そもそも枝豆自体、食べ始めると止まらなくなってしまう類いの食品だと思うのですが、だだちゃ豆は本当に手が止まらないとか。

 患者さんに、9月になるとHbA1cの数値が高くなる方がいました。それまではコントロールできているのに、です。

 HbA1cは本来、夏に下がりやすく冬に上がりやすいので、「何か生活で変わったことはありました?」と聞いたのですが、「うーん、特にないと思うんですが……」との答えです。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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