糖尿病は、長く付き合っていかなければならない病気です。
摂取カロリーの制限、規則正しい食事時間、減塩、定期的な運動など、患者さんに実施して欲しいことは山のようにありますが、厳し過ぎる課題は、患者さんが継続できません。
主治医として怖いのは、「先生に怒られるから病院へ行かない」「あれもダメ、これもダメの生活なんて、もう嫌だ」などと思い、治療からドロップアウトしてしまうこと。
病院へ行かなくなり、何の手も打たなくなれば、確実に症状は悪化します。治療をあのまま継続していたら、人工透析になっていなかっただろう、糖尿病性網膜症で視力を失っていなかっただろう、神経障害で足切断となっていなかっただろう――と後悔している糖尿病患者さんは、全国に数多くいると思います。
治療を継続してもらうために、私が患者さんに念頭に置いてもらいたいのが、「短期的な目標と、長期的な目標を持つ」ということです。
進化する糖尿病治療法