進化する糖尿病治療法

だだちゃ豆シーズンになると血糖コントロールが悪くなるのは…

ビール片手にどんぶり1杯のだだちゃ豆を…(C)PIXTA

 山形で診ている患者さんの話に戻りましょう。患者さんには農家の方もたくさんいます。「スイカが取れすぎて」「桃がたくさんあって」とシーズン時、収穫したものの傷があるなどで売り物にならなかった果物を、たくさん食べる方も珍しくありません。

 私たちにとってはおいしい果物をたくさん食べられるのは実に羨ましいことですが、果物の糖質は、気をつけて取らないと容易に血糖値とHbA1cを上げてしまいます。実際、そういった患者さんたちは、果物の食べすぎでHbA1cが急に上昇することがままあります。

 とはいえ、大切に育てた果物を「食べないでください」とは言えません。とにかく一度にたくさん食べることは避けてもらうよう、患者さんごとに実現可能な方法を具体的に提案するように心掛けています。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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