感染症別 正しいクスリの使い方

【インフルエンザ】子供には使わない方がいい解熱剤がある

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 インフルエンザでは高熱が出るため、解熱剤を用いることが多いと思いますが、小児では注意が必要です。「ジクロフェナクナトリウム」など一部の解熱剤は、インフルエンザ脳症発症時の死亡率を高めることが知られているのです。

 また、「アスピリン」の使用も要注意です。

 小児においてアスピリンを使用した場合、ライ症候群の発症を高めることがわかっています。ライ症候群とは、インフルエンザや水ぼうそうなどのウイルス疾患に続発し、急性脳症や肝臓の脂肪浸潤を引き起こす原因不明の病態です。ライ症候群が起こることはまれですが、一度発症すると症状が重くなりやすく、死に至る例もあります。

 小児におけるインフルエンザの解熱には、「アセトアミノフェン」が安心して使える薬です。

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荒川隆之

荒川隆之

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

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