慢性蕁麻疹は原因の特定や除去にこだわらずまず薬物治療を

自己判断で薬をやめてはいけない

「2週間ほど服用してもらい、それでも症状が出るようなら、胃痛や胃もたれに使うH2-拮抗薬、鼻炎に使う抗ロイコトリエン薬を追加します。いずれも蕁麻疹には保険適用外になるため、慎重に投与を検討します」

 重症例にはこれでも効果がない人がいる。その場合、蕁麻疹の治療ガイドラインには、生物学的製剤のオマリズマブ、シクロスポリン、内服の副腎皮質ステロイドのいずれかの使用が記載されている。シクロスポリンは保険適用外、副腎皮質ステロイドは1カ月以内に減量または中止のめどが立たなければほかの治療への変更が検討される。

「私はオマリズマブを使うことが多いです。月1回の皮下注射で、3回の投与で約7割の患者さんの症状が改善します。当院では、重篤な副作用は出ていません」

 ここからがまた専門医の腕の見せどころだ。症状が薬で抑えられることが3カ月間確認できたら、薬の量や飲む頻度を減らしていく。

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