「とくに露出した歯の根っこはエナメル質と比べて虫歯になる確率は3倍になるといわれていますので注意が必要です。歯と歯茎の境目にできてくるくぼんだ欠損のことを『くさび状欠損』と言います。『歯頚部』とも言い、エナメル質と呼ばれる歯の硬い層から象牙質と呼ばれる軟らかい層に移行する部分にあたります。かみ合わせの悪さや過度な強い咬合力だけでなく過度な歯磨きを続けることでできるといわれています」
ではどうするのか? 単に力を込めて歯磨きすることをやめればいいだけだが、若い頃から続けてきた歯磨きの加減を急に変えるのは難しい。ただでさえ歯列の乱れや歯肉がやせて歯茎が下がった中高年の歯磨きは、磨き残しが起きやすく大変だ。そこで注目したいのが高性能の電動歯ブラシ。
「高性能の電動歯ブラシは丸形ブラシが左右に回転して汚れをかき落とす『回転式』と細長ブラシが高速振動する『音波振動式』があります。私が薦めたいのは音波振動式で、音波振動と超極細毛で人間の手では届かないところの汚れや取れない汚れをしっかり除去してくれます。しかも歯に強く押し付けようとすると動きを止める機能がついている。それでいて、手で行う歯磨きと同じく、歯と歯の境目は斜め45度の角度で毛先を当てるのは同じです」
機種によってはスマートフォンと連動し、専用アプリで歯磨きの状態を視覚化して確認できるものもある。
60歳からの健康術