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パンデミックを終わらせる唯一の方法は「ワクチン平等」 米国でフレーズが聞かれるように

インド・ムンバイでワクチン接種を受ける人たち(C)ロイター

 研究開発費が莫大で厳格な特許に守られたmRNA型に比べ、価格も安く保存も簡単。世界中にあるB型肝炎ワクチンの製造施設をつかってすぐ作り始められる。そしてそれ以上に驚きなのは、製造技術を特許で守らない、つまり開発者はこのワクチンで儲けるつもりはないという意思を明らかにしていることです。

 このコーババックスは、一足先にインドが緊急使用の認可を出し、国内で3億回分の製造を指示。インドネシアやバングラデシュでも現地生産が予定されています。これまでの臨床実験では新型コロナの原因ウイルスとデルタ株には高い効果があることが分かっていますが、オミクロン株に関しては未知数。それが懸念材料ではあります。

 しかし、ファイザーやモデルナが現地生産に消極的な今、現地生産可能の安価なワクチンに他が追随し、世界のワクチン供給平等化の一歩前進が期待されています。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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