認知症を予防する補聴器のすべて

子供の聞こえづらさ対策の遅れは生活や学習に大きく影響

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 また、耳の聞こえの障害は生まれつきの場合だけでなく、その後の病気が原因で起こるものもあります。日頃からお子さんの日常の様子に注意し、発達に応じて耳の聞こえ具合と言葉の状態を確認することは大切です。

 早期発見する取り組みの重要性が、自治体でも認識されつつあります。例えば東京都では2019年から公費負担助成制度が始まり、すべての新生児が検査を受けられ、状況に応じて補聴器購入を助成する体制構築に動き出しています。そしてその流れは全国の自治体へと波及しています。

 新生児の段階で発見されれば、早いうちに聴覚への介入がされるので、1歳代にはもう補聴器をつけ言語獲得前の早期に音を脳に届けられるようになります。

 今後も一層、聞こえを改善し、より良く聞こえることがあらゆる人々の健康に深く関わるのだという認識のもとに、補聴器は人生をより豊かにし得るツールの一つになっていくことでしょう。

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田中智子

田中智子

シーメンスの補聴器部門でマーケティングの勤務を経て、2020年補聴器販売会社「うぐいすヘルスケア株式会社」設立。認定補聴器技能者資格保持。

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