臭いが消える一因は鼻の中の「気流」にあり 国際誌に論文掲載

写真はイメージ

 通常、鼻詰まりの手術といえば、鼻中隔湾曲症や副鼻腔炎の手術が定番だが、流体力学的な視点はない、と浅間院長は言う。

「それでは、鼻の通りは良くなっても、臭いの分子を含んだ空気が鼻の奥まで広がらず、臭いは取り戻せないということになりかねません。私は気導性嗅覚障害の疑いがある人の手術では、患者さんに嗅裂の形成手術も受けた方がいい、という話をしています。実際、そうした手術後に臭いを取り戻した、という患者さんが増えています」

■認知症予防や睡眠時無呼吸症候群の治療への応用も

 浅間院長はなぜ、鼻の治療に流体力学を持ち込んだのか? 実は浅間院長は早稲田大学理工学部を卒業後、首都圏の私鉄に勤務。その後、秋田大学医学部に入り直した異色の医師だ。理工学部で学んだ流体力学が耳鼻咽喉科の医師の仕事に役立つと考え、自己資金で「あさま研究所」を設立し、鼻の中の気流や老化する動物をテーマに研究を続けている。

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