片頭痛ですぐ痛み止め…はもっと厄介な頭痛を招く恐れがある

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ある40代女性は10代の頃から頭痛持ち。片側前額部のもやもやした痛みから始まり、ずきんずきんとした痛みに至る。体を動かすとつらく、ひどいときは吐き気を催す。光や音がわずらわしい。典型的な片頭痛発作だが、頭痛専門医を受診することはなかった。

 30代からは月に多くて5日ほど頭痛があり、発作は月経1~2日前から月経中によく起こった。市販薬を早めに飲めば良くなるものの、ひどくなってからは効果がないため、頭痛の予兆を感じるとすぐに鎮痛薬を飲んでいた。

 徐々に頭痛日数が増加し、1年ほど前から1カ月に半分以上は頭痛。最近は毎朝目が覚めると頭痛があり、市販薬が全然効かなくなった。

「私の患者さんの例ですが、こういった片頭痛から薬物乱用頭痛に至るケースは珍しくありません。薬物乱用頭痛がひどくなると治療が困難。一般的な頭痛であれば多くはコントロールでき、片頭痛は新しい治療も登場しています。『とりあえず薬を飲んでやり過ごそう』と思わず、頭痛専門医を受診すべきです」

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