「自死・自殺に向き合う僧侶の会」代表が語る…死んではいけない

東京・三田の正山寺(提供写真)

 東京・三田にある「正山寺」の前田宥全住職が、同会の共同代表を務めている。400年あまり続く曹洞宗の名刹である正山寺を継承している前田住職は41代目。「(財)メンタルケア協会 精神対話士」の肩書も持つ。僧侶の会は超宗派で約200人の僧侶を有し、前田住職自身も正山寺で、自死まで追い込まれた不特定多数の人々を相手に救援の手を差しのべている。

 相談の相手は女性7割、男性3割で、年齢は10~70代と幅が広い。この10年間に1700人、延べ7000回の「対話」を重ねてきた前田住職。僧侶らしい柔らかな口調で、こう語る。

「私は死にたいという人に対し、頭から否定するものではありません。ただし、自ら死ぬことはいかがなものか。なぜ死にたいのですか、その理由を一緒に考えてみませんか、生きる道を考えてみませんかと申しまして、対話を進めます」

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