「自死・自殺に向き合う僧侶の会」代表が語る…死んではいけない

東京・三田の正山寺(提供写真)

 正山寺に寄り添うように、10年間も連絡を取り続けている人もいる。対話の形式は電話やオンラインなどだが、完全予約制で時間は80分となっている。

 相談相手との会話は「真剣勝負、格闘技と同じ」と言う前田住職に、こんな質問をしてみた。

 電話口でナイフを持ち、今にも手首を切って自殺しようと訴えてきた人に、どんな言葉をかけますか?

「やめなさい! とトゲのある言葉を出すことはいたしません。まず、『ナイフを置いてください。つらかったのでしょうね。今、あなたが苦しんでいる状況を話してみませんか』と言って会話を進めていきます」

 警察庁の統計による自殺の形は、多い順に縊死(首つり)、ガス、薬物、溺死、飛び降りである。

 人生100年の時代。元気でいたら、なにかいいこともある。自ら命を絶つ前に、寄り添って話を聞いてくれる人に一本の電話(℡03.3452.3574)をかけてみてはどうだろうか。

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