コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー

頭にかぶる「ヘルメット形PET装置」認知症の診断で期待される

検査のイメージ写真(提供)量研

「がん診断に活躍してきたPETですが、これからは健康長寿に向け、認知症や高次脳機能障害の診断で期待されています。それは認知症の解明、治療薬開発、スクリーニング法開発において基準となるのがPETだからです。しかし、国内のがん患者は年間100万人で、600台のPETはフル稼働しています。そこで、頭部検査に特化した高精度で小型な普及型装置が求められていたのです」

 Vrainは椅子型の装置で患者は座ったままの姿勢でいると、上から帽子をかぶるようにヘルメット形の検出器部分がゆっくり下りてきて、検査が始まる。静脈から検査薬を注射するなどの検査手順は従来と同じだ。

 従来のPET装置に必ず組み込まれていたCTが不要なので、被ばく量を従来の数分の1に抑えることに成功。装置の設置面積も約5分の1になった。そして、最大の特徴は世界初の頭にかぶる半球形の検出器。これは世界最小(直径約28センチ)で量研の特許技術だ。

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