60歳からの健康術

眼科編(6)日本人の途中失明第4位「加齢黄斑変性」の症状と対処法

男性は女性の約3倍リスクがある

 この病気には2つのタイプがある。「萎縮型」は徐々に組織が傷んで弱っていくタイプで、黄斑に地図状の萎縮が出現する。視力も急には落ちずゆっくりと低下するが、現在のところ有効な治療法はない。

 もうひとつの「滲出型」は脈絡膜新生血管という異常な血管が網膜の下にできて、そこから水がにじみ出てきたり(滲出)、出血を生じたりして黄斑に障害が出る。急激に進行して著しく視力が低下するが、抗VEGF抗体などの注射、光線力学療法などが行われ、ビタミンとミネラルを含む栄養補助食品の処方もされている。

「この病気のリスクは年を取るにつれて高くなり、特に55歳以上の人では注意が必要です。家族歴がある人、喫煙者である人のリスクはさらに高くなります。また、女性に比べ男性で約3倍多い。診断には散瞳して眼底の検査をする必要があります。心当たりのある人は定期的に眼底カメラのほか、3次元画像解析装置(ОCT)検査や、蛍光眼底撮影眼科検査を受けることが重要です」

 なお、加齢黄斑変性症のリスクを下げるには、禁煙、定期的な運動、健康的な血圧とコレステロール値の維持、葉物野菜や魚などの健康食品を取ることなどが有効とされている。

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