狂犬病は世界のほとんどの国や地域で発生している感染症で、毎年約5万5000人が亡くなっています。ウクライナでも野生動物に狂犬病が発生しています。インドネシアでは、島に持ち込まれた犬から感染が広がり、160人以上が死亡したという事例もあります。
狂犬病が発生していない「清浄国・地域」は、アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアム、そして日本だけで、いずれも島国です。大陸では野生動物が隣国からも入ってきてしまうため、なかなか防ぐことが難しいのでしょう。
狂犬病は、狂犬病ウイルスによる感染症です。発症すると、神経が過敏になって水などを恐れるようになる特徴的な症状があるため、「恐水病」といわれることもあります。落ち着きがなくなって暴れるケースもあり、けいれんなども起こります。まだ有効な治療法はなく、ほぼ100%の患者さんが亡くなります。
感染症別 正しいクスリの使い方