時間栄養学と旬の食材

ソバは夕食に取りたい 血糖値が上昇しにくく睡眠の質を担保

ソバは血糖値が上がりにくい低GI食品(C)日刊ゲンダイ

 麺としてソバを食べる場合は、疲労回復に関わるビタミンB1を多く含む豚肉や、ビタミンB1の吸収を高めてくれるネギ(アリシン)、冷えを防止して代謝を上げてくれる唐辛子(カプサイシン)、ワサビ(シニグリン)なども併せて取れるとよいので、ぜひおかずや薬味などにも着目してみてくださいね。

 また、フラボノイドの一種であるルチンという成分も含みます。血圧を下げる薬としても有名で、毛細血管を強くする働きがあるので、動脈硬化や高血圧予防にも役立ちます。ルチンを多く含む韃靼(だったん)そばを用いて体重減少を検証した臨床研究では620ミリグラムのルチンを含むそばを12週間食べた場合、食べなかった群に比べて4週目で体脂肪率が、8週目で体重に有意な差が見られたといいます。GI値も低いソバですから、糖尿病や体重を落としたい方にもおすすめです。

 さらにソバには味覚異常を予防する亜鉛も含まれています。偏食の子供に6カ月間毎日1㎎/㎏食べさせた実験では、偏食の改善や食欲増進作用も見られたといわれています。記憶力の向上にも役立つという研究もあります。

 マウスの実験では、そば粉を長期間食べさせると免疫機能アップの指標となるマクロファージのNO産生機能が上がるという報告も。生活習慣病から免疫機能改善まで、さまざまな機能が期待できるソバ。ぜひ召し上がってみてはいかがでしょうか。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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