60歳からの健康術

性感染症編(4)60歳以上の「いきなりエイズ率」は50%以上 免疫力低下で発症も

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ちなみに令和2年に新規に報告されたHIV感染者数は750人(うち60歳以上22人)、エイズ患者は345人(同27人)で、その合計は1095人。60歳以上のいきなりエイズ率は55.1%となり非常に高率であることがわかる。

 一方、同年末の累計報告者数はHIV2万2489人、エイズ患者数は9991人、計3万2480人だ。

 エイズはHIVに感染して2~6週間にインフルエンザと同じような発熱、リンパ節の腫れ、咽頭炎、皮疹、筋肉痛、頭痛、下痢のいずれかの症状が現れる。数週間ほどで症状が消えてしまい5~10年ほどの無症候期に入る。この間、症状があっても軽度のため、風邪やインフルエンザと自己判断してしまい、気がつかないことも多いという。

「HIVが体内に入ると、免疫の仕組みの中心となっているヘルパーTリンパ球という白血球などに感染し、体を病気から守っている免疫力を低下させていきます。そして本来なら自分の免疫力で抑えられる病気を発症するのです。ですからエイズ発症は、23の主要となる代表的な疾患を発症した時点で診断されます。この23の疾患以外、例えば60歳過ぎて伝染性軟属腫、いわゆる水いぼが急に増えたとすれば、エイズを疑う場合もあります」

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