「WHОが7月21日までに把握した世界のサル痘の患者数は約1.6万人。その多くが18歳から44歳の男性です。性的指向が把握できているうちの98.1%がMSMとの情報もあります」
一方、ここ数年、若い女性を中心に急増している梅毒にも一定のMSMの患者がいると考えられている。今後はMSMの患者から女性に感染し、さらにそこから新たな感染者が増えても不思議ではない。
「私もその可能性が強いと思います。エイズのときも当初はMSM特有の病気と考えられていました。しかし、それは一時的な現象でした。エイズはいまや男女ともに感染する性感染症です。日本ではMSMの患者さんが多いものの、海外では患者の約半数が女性で、男女間の感染が主流です。サル痘もこの先は男性に限らず、女性の患者さんも増えていくと思います」
しかも、サル痘は感染後の潜伏期間は7~14日と長い。そのため、感染に気がついたときには、既に感染が広範囲に広がっている可能性がある。