コロナ第7波に備える最新知識

10歳未満のワクチン接種をどう考えるべきか? 公表データから考察する

10代接種は珍しくなくなったが…(C)共同通信社

■致死率はインフルエンザより低い

 では、この年代の子供たちの累積の死者数はどう変化したのか? それまで7人だったのが、7月20~26日に8人、7月27日~8月2日11人、8月3~9日は13人と増えている。当然、警戒は必要だが、致死率でいえば、8月9日時点でのこの年代の累積陽性者数が195万6183人だったことから、0.0006645%ということになる。単純に全数把握の新型コロナウイルスと比較するのは適切とはいえないが、季節性インフルエンザの致死率は0.01~0.05%といわれ、それよりも低い。 

 ちなみに直近の5歳から11歳のワクチン接種で予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告は54件。うち重篤例は14件、推定接種回数133万8473回と報告されている。

「感染者数が増えていることで、この年代のお子さんを持つ親御さんの間でワクチンを打つべきか、否かが話題になります。ワクチンを打てば感染リスクは抑えられるとはいえ、ワクチンだけで集団免疫を得るにはその集団の8割以上が打つ必要があります。その意味では現時点で10歳未満の年代のお子さんが他人を感染させないためにワクチンを打つ必要はないように個人的には思います。もちろん、ワクチンには重症化や亡くなるリスクを抑える効果があるので、そのような目的で打つことを否定はしませんが、この年代の致死率とワクチンの副反応を考慮したうえで、打つか打たないかは各自の状況、判断によると思います」

 今後使用される予定の新しい2価ワクチンについては、データの適切な集積と公開が求められる。

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