「『抗ヒスタミン薬倍量+第2ステップ』で6~7割くらいが改善します。これでコントロール不良の患者さんには、第3ステップとして、免疫抑制剤シクロスポリン、経口ステロイド薬、2017年に慢性特発性蕁麻疹に保険適用となった生物学的製剤オマリズマブが選択されます」
シクロスポリンは保険適用外。経口ステロイド薬は1カ月以内に減量または中止のめどが立たなければ他の治療へ変更を検討となっている。
「私は主にオマリズマブを用います。日本で皮膚免疫アレルギー学会の会員を対象とした調査でも、慢性特発性蕁麻疹で第2ステップでも効果が不十分な患者さんには、オマリズマブを用いている医師が多いとの結果が出ています」
慢性特発性蕁麻疹の患者を対象にしたイタリアの後ろ向き研究では、難治性患者でオマリズマブを投与した470例のうち、全く効果が見られなかった患者は1割で、9割の患者に効果が見られた。葉山医師の臨床経験でも、同様の割合。また、オマリズマブは月1回の注射薬になるが、3回の投与で6割ほどがコントロール良好になる。