コロナとの関連はともかく、こうした歯肉炎をはじめ、歯茎に腫れ、痛み、出血がある場合でも、ケアをおろそかにして口腔内の衛生環境を悪化させるわけにはいかない。歯肉炎が歯周病につながったり、歯茎の傷から口腔内細菌が侵入して全身を巡りさまざまな病気の原因になるリスクもあるからだ。
「歯茎に腫れや痛みがあって出血しやすい状態の場合、歯磨きには柔らかい歯ブラシやスポンジブラシを使ってもらいます。ブラッシングでは、歯ブラシの毛先を斜めにすると歯茎に当たってしまうので、歯面に直角に当てて弱めに歯だけを磨くようにしてください。また、歯茎が傷ついているならその周辺はブラッシングを避け、『コンクールF』などのグルコン酸クロルヘキシジンが含まれた低刺激のうがい薬で口腔内をゆすぐのがいいでしょう。うがい薬をしみ込ませた綿棒で、歯面だけをケアする方法もあります」
口腔内の環境が悪化すると感染症にかかりやすくなるという報告もある。どんな状況でも、口腔ケアにはしっかり取り組みたい。